食品衛生法(器具、容器・包装)のポジティブリスト制度が施行

2020/5/29

2018年(平成30年)6月13日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律により、食品用器具・容器包装にポジティブリスト制度が導入され、2020年(令和2年)6月1日に施行されました。
 日本においては従来、食品用器具・容器包装に対して特定の有害物質の使用を禁止したり、含有量や溶出量の許容限度を設けることによって安全性を確保する方法(ネガティブリスト制度)をとっていましたが、技術の進歩で日々新しい化学物質が生まれるなか、ネガティブリストに掲載されていない化学物質に対する安全性の担保に課題がありました。安全性が確認された物質のみを使用可とするポジティブリスト制度は、国際的にも現在主流となっています。

ポジティブリスト制度の概要

政府通達「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」(令和2年4月28日公布)でポジティブリスト(PL)の最終版が発表されました。

  • 合成樹脂が対象(ゴム、紙、金属、ガラスなどは、対象外)
  • 別表第1(PL)の第1表(1)基ポリマー(プラスチック)、(2)基ポリマー(コーティング樹脂)、(3)基ポリマーに対して微量で重合可能なモノマー、第2表添加剤・塗布剤等
  • 食品区分(酸性食品、油脂および脂肪性食品、乳・乳製品、酒類、その他の食品)
  • 最高温度(I:70℃、II:100℃、III:100℃超過)
  • 合成樹脂区分(1〜7)のレベルごとに添加剤の使用割合を制限(第2表)
  • 特記事項にて個別要件あり
  • PLに掲載していない物質は、「継続確認既存物質リスト」に掲載。安全性確認後にPLへ追加

サプライチェーンを通じたポジティブリストへの適合性管理

今回の改正で、川上(原材料製造事業者)から川下(器具、容器包装の使用者・販売事業者)まで食品用器具、容器包装に関わる各事業者が、それぞれの取引先に対して、材料や製品に使用されている物質がポジティブリストに適合しているかどうかを確認できる情報を提供することが定められました。

製造管理規範(GMP)による製造管理の制度化

  • 原材料の確認
  • 製品の規格基準への適合確認
  • 製造記録の保存
  • ポジティブリスト対象外の器具・容器包装には一般衛生管理を適用

経過措置期間は5年

ポジティブリスト制度の施行日以前に製造または輸入された器具・容器包装と同様のものを、製造、輸入する場合は、施行日から5年(2025年5月31日)までの間であればその原材料がポジティブリストに収蔵されているとみなされます。この場合、原材料の基ポリマー、添加剤等が、その使用実績(例えば合成樹脂に添加される添加剤の添加量など)の範囲内であれば、ポジティブリストに収蔵されていない物質やポジティブリストの規格を満たしていない物質であっても引き続き使用することができます。

輸入通関時の検査

海外から輸入される食品用器具・容器包装に対して、従来実施されている食品衛生法の成分規格にもとづく材質試験・溶出試験については、2020年6月1日以降も引き続き実施されます。検査手順に変更はありません。一方、ポジティブリスト施行後は、輸入通関時に検疫所から輸入者に対してPL適合性証明書(またはPLへの適合を確認できる書類)の提出を要求される場合があります。PL適合性証明書の提出は、検疫所が製品ごとに判断して決定します。輸入者は、食品用器具・容器包装の材料がPLに適合していることを確認できる書類をあらかじめ取引先から入手して適合性を確認しておくことが必要です。

(厚生労働省ウェブサイト)
食品衛生法改正について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197196.html
食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05148.html

ビューローベリタスは政府に承認された外国公的機関として、玩具および食品用器具・容器包装の食品衛生法検査を実施しています。香港・ベトナム・インドネシア・フランスの各試験所で検査が可能です。検査のご依頼は、日本窓口(消費財事業部)が承ります。